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集いの長屋オフィス

AREA長田区駒ヶ林

長田区南部の駒ヶ林という路地のまちにある老朽化した空き家です。築130年以上経つ古民家で、現在は近所のおばちゃんたちが集う下町の喫茶店「喫茶初駒」として日々笑い声の絶えない場所になっています。実は板戸を隔てて私の勤める建築事務所スタヂオ・カタリストが併設されているので、時々爆笑必至の話題が聞こえてきて仕事に集中できないこともあります(笑)。

BEFORE

AFTER

PROCESS

改修前の外観。アルミの勝手口がついています。ここを入ると台所です
改修前の外観。アルミの勝手口がついています。ここを入ると台所です
こちらは事務所スペースの改修前。座敷が2間で手前には中庭に面した縁側があります。
こちらは事務所スペースの改修前。座敷が2間で手前には中庭に面した縁側があります。
みんなで寄ってたかって床を剥がしています。古い床板はもちろん壁材などに再利用します。
みんなで寄ってたかって床を剥がしています。古い床板はもちろん壁材などに再利用します。
台所と茶の間の天井を剥がすと中から太い梁が出現。
台所と茶の間の天井を剥がすと中から太い梁が出現。
屋根裏部屋の漆喰塗りの様子。タイ王室の壁の修復にも携わる一流の左官職人に指導していただきました。既存の薄ベニヤ板の上にヒゲコとグラスファイバーメッシュを伏せこんで砂漆喰を3層塗っています。
屋根裏部屋の漆喰塗りの様子。タイ王室の壁の修復にも携わる一流の左官職人に指導していただきました。既存の薄ベニヤ板の上にヒゲコとグラスファイバーメッシュを伏せこんで砂漆喰を3層塗っています。
喫茶スペースの土間たたきワークショップ。篠山の土と石灰とにがりを調合し、文字通りパンパン突き固めます。道具も自作。
喫茶スペースの土間たたきワークショップ。篠山の土と石灰とにがりを調合し、文字通りパンパン突き固めます。道具も自作。
上部の吹き抜けから撮影。叩いたあとに駒ヶ林の浜から拾ってきた小石を点々と配置します。修学院離宮の一二三石(ひふみいし)風にしています。
上部の吹き抜けから撮影。叩いたあとに駒ヶ林の浜から拾ってきた小石を点々と配置します。修学院離宮の一二三石(ひふみいし)風にしています。
そうこうしてるうちに近所の子どもも集まってきました。当然作業に参加してもらいます。この風通しのいい人間関係が駒ヶ林のいいところ。
そうこうしてるうちに近所の子どもも集まってきました。当然作業に参加してもらいます。この風通しのいい人間関係が駒ヶ林のいいところ。
BA11
庭の竹垣用の竹を調達しに、はるばる但馬の小集落へ遠征。根元を切り → 倒し → 枝を打ち → バーナーで炙り → 油が浮いてきたら拭き取るを繰り返し、必要な量を確保するのに丸2日かかりました。
しっとりと趣きのある中庭が完成。青い竹が混ざってますが、実は数が足りずに後で追加したもの。これは神戸市内から調達しました。
しっとりと趣きのある中庭が完成。青い竹が混ざってますが、実は数が足りずに後で追加したもの。これは神戸市内から調達しました。
改装後の事務所スペースはこんな感じ。こちらは畳を板張りに変えたのと、押し入れ扉を取っ払ったくらいです。家具もほとんど貰い物か自作。Photo by 岩本順平
改装後の事務所スペースはこんな感じ。こちらは畳を板張りに変えたのと、押し入れ扉を取っ払ったくらいです。家具もほとんど貰い物か自作。Photo by 岩本順平
喫茶スペースは、こんな感じでにぎやかに使われています。
喫茶スペースは、こんな感じでにぎやかに使われています。
入り口を変えて暖簾をかけただけですが、町並みもよく見えます。Photoby岩本順平
入り口を変えて暖簾をかけただけですが、町並みもよく見えます。Photoby岩本順平
※記事内の文章は原文を尊重しています。

つくった人

角野 史和