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小畦 雅史

自己紹介をお願いします。

妻、3歳の息子の3人家族、築40年のマンションの1住戸をリノベーションし暮らしています。 10年ほど神戸で建築事務所に勤務し、2012年神戸須磨で建築設計事務所をはじめました。

どんな活動をしているの?

主に住宅の建築設計を行っています。一室だけのクロス張替やちょっとした間取りの変更など の小さな工事から新築設計まで請けていますが、住まいづくりの楽しさをお施主さん、施工者 と一緒に目いっぱい感じられるように、「無理せずゆっくり創ること」「自分で創ること」「プロセスを楽しむこと」ができる工夫を設計活動に取り入れています。

どんな建物を改装したの?しているの?

垂水区青山台にある団地で、民間資本で建てられた築40年のRC造5階建て集合住宅団地の1住戸を紹介します。

塩屋から坂を登り続けて徒歩20分くらいのところにあります。5階建ての5階で、EVはありませんが、登っていくと階段から他の集合住宅棟が見える風景が素敵な所です。10年ほど前に購入されています。団地内には50棟ほどの集合住宅があるらしいのですが、たくさん建ち並んだ風景はとてもおもしろいです。

高台に建っているので、敷地から街を少し見下ろすことができて、空が広く、きれいな景色が見られます。

物件種別 分譲団地(集合住宅棟)
物件概要 60㎡・5階建ての5階・RC造
かかった日数 工事期間2ヶ月、DIY期間1日

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プロセスを楽しむ団地リノベ

AREA垂水区青山台

垂水区青山台にある団地で、民間資本で建てられた築40年のRC造5階建て集合住宅団地の1住戸を紹介します。塩屋から坂を登り続けて徒歩20分くらいのところにあります。5階建ての5階で、EVはありませんが、登っていくと階段から他の集合住宅棟が見える風景が素敵な所です。

誰とどんな改装したの?

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10年前の購入時に一度改装されてますが、ワンルーム化していたことと設備が当初のままで使いにくかったので、個室にもできて広くも使える引き込み建具を入れて、設備の入替を伴うフルリノベーションを再度行っています。床を無垢フローリングにして、対面キッチンにするなど、間取りも仕上げも大きく変えています。

コストダウンが必要だったのと、せっかくの機会なので工事を楽しむために、お友達やご家族を呼んで、なべパーティと組み合わせて壁の珪藻土塗と壁、天井のペンキ塗りをDIYしました。当日タイミングよく食事する時間を入れて、わいわいおしゃべりしながらイベントとして楽しめるように計画しました。お施主さんによると、「みんな楽しかったって言ってました!大勢で作業してもらって早く終わるし(笑)」だそうです(笑)
僕自身もめっちゃ楽しめたので「リノベーションパーティ=リノパ」と名付けて、他のお仕事でもやってます。

あと、この事例は10年間で同じ住戸を2度フルリノベーションしてるのも珍しいところですが、これも購入価格がリーズナブルだからできることですよね。

なぜこの場所、この建物だったの?

購入価格が新築・築浅に比べて格段に安いことと、そのためリノベーションにかける費用を大きく取ることができるからです。
築40年程たって敷地内の緑地もしっかり育っていますし、古い団地は住棟の間隔も適切なので、日当たり、風通しともによいです。構造的にもシンプルで、実質的な耐震性能が高く、内部に大きな柱や壁が少ないので、リノベーションの自由度が高いこともメリットです。

あとは、お施主さんが小さな頃から育ってきた地域内の団地なので、近居のメリットが十分に感じられる点と、小さい頃から知っている建物なので安心感があることも理由のひとつです。

もちろんデメリットもあって、5階建てでもエレベーターがなかったり、設備が古くて使いにくかったり、修繕積立金とか長期修繕計画に注意しないといけないとかありますが、だからこそリーズナブルで自由に楽しめるっていうのもあります。

建物で気に入っているところはどんなところ?

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モノをたくさんしまってもらえる、ディスプレイにもなる可動式オープン棚です。工事が終わってから、住みながらカスタマイズしてもらえますが、その内容がお施主さんごとに違っていて、設置するたびにとてもおもしろい風景になります。
自宅の自分たちで塗った黒板壁にいつもなにかラクガキがされている風景も気に入っています。3歳の息子が風呂上りに裸でチョーク持って走りまわったりして困ってますけど(笑)

オーナーさんや近くの住人さんとの関係はどう?

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お施主さんと一緒につくり上げていくやりかたは、設計士などのつくり手との距離が縮まりますので、手直しして欲しい部分や、反対にうまくいった部分などを率直に話しあえる関係になりやすいです。

また、お施主さんが住みながらカスタムしたいと思ったときに、自分でちょっとペンキを塗ってみる、棚をつくってみる、ということを僕たちに相談しないでどんどん進めてくれています。ある人は、丸ノコやインパクトを買ったりと、道具をそろえることに熱心になりはじめたり。DIYイベントを経験することで、おそらく自分で住まいに手を入れることを気軽にはじめられる心境が生まれているのだと思います。

リノベーションの楽しみ方を教えてください

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ほかにも、結露を減らすために珪藻土の壁にしてみたいとか、ちょっと雰囲気を変えるために黒板塗装をしたいなど、小さなリノベーションの事例もあります。どちらもDIYでお施主さんのお友達をたくさん呼んで、おにぎりパーティ、たこ焼きパーティを組み合わせてリノパとしてやりましたが、みんなで一緒にごはんを食べるっていうのが、とても楽しくリラックスできていいなと。
黒板塗装は自宅です。入居したときは改装するお金がなくて(笑)、最低限のがらんどうだったんですが、壁の黒板塗装DIY、壁面付けの可動本棚設置など、やりたいことを数年おきに段階を踏んでやってます。一度にやらずに数年おきに少しずつリノベーションすることで費用的にも無理がないし、同じ住まいを飽きることなく長いあいだ楽しめます。引っ越してきて8年たちますが、昨年黒板塗装をしたので、まだ新鮮な感じです。

今後の展開は?

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紹介した事例を含め、案件ごとに、計画時の打合せ風景から、DIY施工中のパーティ風景、竣工後の暮らしの様子を写真家の方に撮ってもらって、旅行写真のようにアルバムにまとめてお渡しする活動を行っています。

住みながらちょこちょこ手を入れていくような小さなリノベーションでも、こういった切り取り方をすれば、プロセス全てをまるで小さな旅行のように楽しむことができます。こんな楽しみ方ができるということをたくさんの人に知ってもらえれば、今住んでる家を住みたおす、ってのも案外わるくないんじゃない?と感じてもらえるのではないかと。何度もこの小さな旅を楽しめればもっと住まいに対する愛着もわきます。

住み続けることによって、遠い将来の空き家を減らすことにつながればとても嬉しいなと。今後はこの活動をもっと分かりやすい形でみなさんにお伝えできればと考えています。

◆参照サイト◆

小畦雅史建築設計事務所(https://www.facebook.com/koazearchi

※記事内の文章は原文を尊重しています。

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